結論:CIDR表記とは
CIDR(Classless Inter‑Domain Routing)表記とは、 IPアドレスの「どこまでがネットワーク部か」を /24 のように数字で示す書き方 です。 サブネットマスク(255.255.255.0 など)を簡潔に表現するために使われ、 現在のネットワークでは標準的な表記方法になっています。
なぜ CIDR が必要になったのか
かつてのインターネットでは、IPアドレスは「クラスA/B/C」という 固定サイズの区画 でしか分割できませんでした。
- クラスA:/8
- クラスB:/16
- クラスC:/24
しかし、この方式には次の問題がありました。
- 必要な規模に対してネットワークが大きすぎる
- アドレスが大量に余ってしまう
- 柔軟な分割ができない
そこで導入されたのが CIDR です。 CIDR によって、/13 や /27 のように任意のサイズでネットワークを作れる ようになり、 アドレス空間の節約とルーティング効率の向上が実現しました。
CIDR表記の読み方
例として、次のアドレスを見てみます。
192.168.1.0/24
この /24 は次の意味を持ちます。
- 上位 24ビットがネットワーク部
- 残り 8ビットがホスト部
- ホスト部 8ビット → 0〜255(256アドレス)
- 実際に使えるホスト数 → 254(両端は予約)
サブネットマスクに変換すると 255.255.255.0 と同じ意味になります。
CIDR表記とサブネットの関係
CIDR表記は ネットワークの大きさを示すだけ であり、 サブネットの数を示すものではありません。
サブネットの数は、 「元のネットワークをどれだけ細かく分割したか」で決まります。
例:
/24を/25に分割 → 2つのサブネット/24を/26に分割 → 4つのサブネット/24を/28に分割 → 16のサブネット
つまり、/24 の“24”はサブネット数とは無関係 です。
CIDR表記の具体例
| CIDR | サブネットマスク | 使えるホスト数 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
/24 | 255.255.255.0 | 254台 | 家庭・小規模LAN |
/16 | 255.255.0.0 | 65,534台 | 大規模LAN |
/30 | 255.255.255.252 | 2台 | ルーター間リンク |
CIDR表記が現代の標準になった理由
CIDRは、現在のネットワーク機器・クラウドサービスで 事実上の標準表記 になっています。
- AWS / Azure / GCP のネットワーク設定
- Cisco / Juniper / Fortigate などのルーター
- ファイアウォールのアクセス制御
- ネットワーク技術者同士の会話
どれも CIDR を前提にしています。
例:
- 「このセグメントは /24 で切っています」
- 「VPC は /16、サブネットは /20 です」
このように、CIDRはネットワークの“共通言語”として定着しています。
まとめ
- CIDR表記は IPアドレスの区画(ネットワーク部の長さ)を示す書き方
/24は ネットワーク部24ビット、ホスト部8ビット- サブネットマスクより短く、誤解が少ない
- クラスA/B/Cの問題を解決するために導入
- 現代のネットワークでは標準表記
CIDRを理解することで、ネットワークの構造やサブネット設計が より直感的に理解できるようになります。