魚売り場で見かけるタラやヒラメ、カレイは「白身魚」と呼ばれます。一方で、マグロやカツオは「赤身魚」です。
この違いは単なる見た目ではありません。実は魚の身の色を見ると、その魚がどのように泳ぎ、どのような生活を送っているのかが分かるのです。
今回は、白身魚の身がなぜ白いのかを見ていきます。
白身魚が白い理由
白身魚の身が白い最大の理由は、筋肉の中にある「ミオグロビン」というタンパク質が少ないからです。ミオグロビンは筋肉内で酸素を蓄える役割を持っています。酸素を多く必要とする筋肉ほどミオグロビンが増え、赤っぽい色になります。
逆に、ミオグロビンが少ない筋肉は白く見えます。白身魚の筋肉はまさにそのタイプです。
白身魚は長距離ランナーではない
タラやヒラメ、カレイなどの白身魚は、普段から長距離を泳ぎ続ける魚ではありません。
必要なときだけ素早く動いたり、獲物を捕まえたり、危険から逃げたりします。そのため、筋肉は瞬発力重視の構造になっています。こうした筋肉は酸素を大量に蓄える必要がないため、ミオグロビンも少なくなります。
結果として、身が白く見えるのです。
赤身魚との違い
マグロやカツオは常に泳ぎ続ける魚です。
長時間泳ぐためには筋肉へ継続的に酸素を供給しなければなりません。そのためミオグロビンが豊富に含まれ、筋肉が赤く見えます。
例えるなら、
- 白身魚は短距離走の選手
- 赤身魚はマラソン選手
のような違いです。
どちらが優れているという話ではなく、生き方の違いが筋肉の色として現れているだけなのです。
実は白身魚にも赤い筋肉がある
白身魚だからといって、体のすべてが白い筋肉でできているわけではありません。
多くの魚には体側に沿って細い赤い筋肉が存在します。ただし、その量が少ないため、切り身にすると全体として白く見えます。
サケは少し例外
「サケは白身魚なのにピンク色では?」と思う人もいるかもしれません。
実はサケの色は、主にミオグロビンではなく、エサから取り込んだアスタキサンチンという色素によるものです。見た目は赤っぽいですが、分類上は白身魚として扱われることがあります。
まとめ

白身魚の身が白いのは、筋肉に含まれるミオグロビンが少ないためです。ミオグロビンは酸素を蓄える役割を持ち、長時間泳ぐ魚ほど多く含まれます。
つまり、魚の身の色は味の違いというよりも、その魚の生活スタイルの違いを映し出したものです。
スーパーで魚を見るとき、「この魚は普段どんな泳ぎ方をしているのだろう」と想像してみると、いつもの切り身が少し違って見えるかもしれません。