FXの手法を考えていると、「もっと良い答えがあるのではないか」と思うことがあります。実際、その可能性はあります。
しかし、どこまでも探し続けることはできません。
そこで私は、考察や開発をするときに「圏」という考え方を使っています。
圏とは何か
一般的に、
- 10km圏
- 50km圏
- 100km圏
という言葉があります。
これは「その範囲の中で考える」という意味です。100km先にもっと良い店があるかもしれません。しかし普段の買い物で、100km先まで探しに行く人はほとんどいません。
最初からその範囲の外として扱っているからです。
FXの手法も同じです。どこまでを考察対象にするのか。どこから先を考えないことにするのか。
その境界を私は「圏」と呼んでいます。
答えより先に圏がある
例えば、資産が1000倍になる手法が存在したとします。
ただし、
- エントリー後100年間保有する
- 100年後に決済する
という条件だったらどうでしょうか。理論上は優れた手法かもしれません。しかし私にとっては最初から対象外です。
なぜなら、私の圏の外にあるからです。
重要なのは、その手法が優れているかどうかではありません。もっと前の段階で、「その圏外の答えを探す気があるのか」を最初に決めているのです。
デイトレードという時間の圏
圏と言う考え方は、私のオリジナルではありません。
分かりやすい例がデイトレードです。
デイトレーダーは、「その日の始まりから終わりまで」という時間の圏を設定しています。翌日まで持てば利益が伸びるかもしれません。1週間持てばもっと勝てるかもしれません。
しかしデイトレーダーはそこを探索しません。
答えが存在する可能性は認めながらも、その範囲は自分の圏の外だからです。
アルファトレードのEA開発で使う200pips圏
アルファトレードのEA開発では、ストップロスに対して圏を設定しています。
基本的には200pipsです。
これは、「ストップロスは200pips以内で考える」という意味です。
もちろん201pipsに良い答えがあるかもしれません。300pipsや500pipsに本当の最適解がある可能性もあります。しかし探索範囲を200pipsまでに限定します。
プログラムコードの考察範囲も、最適化の範囲も、その中です。これは「200pips圏」という考え方です。
そして実際に完成した手法では、損切が200pipsになるということではありません。
- 損切り20pips
- 損切り50pips
- 損切り100pips
といった、200pipsではない結果が普通です。
大切なのは、その結果が、どの圏の中で見つかったかです。
他人の情報を読むときにも使える
この考え方は、自分の開発だけでなく、他人の情報を読むときにも役立ちます。
例えば、「勝率80%の手法」という情報を見たとします。
そのときに勝率だけを見るのではなく、
- 時間の圏はどこか
- ストップの圏はどこか
- 保有期間の圏はどこか
- 資金管理の圏はどこか
を見るようになります。
すると、「勝率80%だが損切りは300pips」かもしれません。あるいは、「利益が出るまで数か月待つ」かもしれません。手法そのものを見る前に、その手法がどんな圏で作られているのかを見る。
そうすると他人の手法の見え方も変わってきます。
制約は不自由ではない
圏というと、可能性を狭める行為に見えるかもしれません。
しかし実際には逆だと思っています。
制約がなければ、考える範囲が広すぎます。
- 保有期間は無制限
- 損切りも無制限
- 利確も無制限
では答えが出ません。
だから最初に圏を決めます。すると、その規制の中で工夫が始まります。
その範囲の中でどう利益を伸ばすか。
その範囲の中でどうリスクを下げるか。
その範囲の中でどう勝率を上げるか。
自由の中からではなく、制約の中からアイディアが出てくることがあります。
私はその可能性にも期待しています。
まとめ

圏とは、探索範囲を定義するための考え方です。
- デイトレードは1日圏
- アルファトレードのEA開発では200pips圏
- 資金圏や保有期間圏もある
重要なのは、圏の外に答えがないと言っているわけではないことです。圏の外に、もっと良い答えがあるかもしれません。それでも、どこかで探索範囲を決めなければ前に進めません。
私は圏を決め、その圏の中で最善を探します。そして、制約の中からアイディアが出てくることを期待しています。

