Essen(エッセン)という名前には、 どこか金属の響きと、 古い街並みの落ち着きが同時に漂っています。
ドイツ西部、ルール地方にあるこの街は、 かつて炭鉱と鉄鋼で栄えた場所です。 重たい産業の歴史があるのに、 今のエッセンはとても静かで、 緑の多い穏やかな表情をしています。
産業の煙が立ち上っていた時代を経て、 街はゆっくりと姿を変え、 文化や芸術が息づく場所へと移り変わりました。
世界遺産にもなっている ツォルフェアアイン炭鉱業遺産群は、 巨大な鉄の構造物が空に向かって伸び、 過去の重さと未来の軽さが 同じ場所に並んでいるように見えます。
エッセンという街は、 派手さはありません。 けれど、 歩いていると、 長い時間をかけて積み重ねられた 静かな強さのようなものが感じられます。
旅先として有名ではなくても、 ふと立ち寄った人の心に そっと残るような街です。