ミートソースとボロネーゼ。 どちらも赤くて、ひき肉が入っていて、 パスタに絡めれば幸せになれる。
だから私は、 ずっと同じものだと思っていた。
でも、ある日ふと調べてみると、 二つのあいだには 静かな“違い”があることを知った。
ミートソースは、 家庭の味。 ケチャップやソースの甘さがあって、 子どもの頃の食卓の匂いがする。
ボロネーゼは、 イタリアのボローニャの料理。 ワインで煮込んだ肉の深みがあって、 トマトは主役ではなく、 あくまで脇役としてそっと寄り添う。
でも、そんな違いを知っても、 私の中ではやっぱり “似ている二つ”のままだ。
なぜなら、 どちらも「おいしい記憶」を連れてくるから。
ミートソースは、 忙しい日の味方。
ボロネーゼは、 少しだけ丁寧な日のご褒美。
名前が違っても、 作り方が違っても、 私の中ではどちらも “あの赤い安心感”としてつながっている。
結局のところ、 料理の名前よりも、 その日の気分と、 一口目の湯気のほうがずっと大事なのかもしれない。