普段の暮らしの中で、その名を意識することは滅多にありません。
フジクラの電線やケーブルは、街の頭上に張り巡らされた電柱の間や、建物の壁の奥深く、あるいは地下の暗がりの中に静かに収まっています。人々の目や手に触れる表舞台に出てくることはありませんが、都市に電気を送り届け、情報を途切れさせることなく巡らせるための、頑丈な動脈としてそこに存在しています。
曲げられ、伸ばされ、過酷な環境に晒されながらも、確実にエネルギーを通し続ける高い品質。主張することのない黒い被覆の内側には、生活の当たり前を裏側から支え続ける、技術者たちの過剰なほどの真摯さが閉じ込められています。
見えない場所で、途切れることなく繋がり続けること。
華やかな製品や目立つテクノロジーの影で、ただ淡々と自らの役割を果たし続ける電線の佇まい。その無骨で飾り気のない存在感の中に、インフラという社会の骨格を支える静かなプライドが宿っているのかもしれません。