スーパーやコンビニの棚を探しても、その姿を見かけることはありません。
カゴメの「日本のトマト」は、一般的な流通には乗らず、通信販売などを通じて家に直接届けられる品物です。普段の買い物のついでに手にとることができないという距離感は、日常の消費とは少し異なる佇まいを纏わせています。
国産の契約栽培トマトだけを使い、畑の恵みをそのまま閉じ込めた一缶。お店でいつでも買える便利さからは少し離れているからこそ、ダンボールの箱を開け、冷やした缶のタブを引くひとときに、どこかささやかな特別感が生まれます。
「手軽に手に入らない」という、小さな手間。
どこでも買えることだけが豊かさではなく、届くまでの時間を待ち、静かに味わう時間そのものを愉しむ。生活の中にぽつりと置かれたその一缶は、消費のスピードを少しだけゆるめてくれる存在なのかもしれません。