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八硫黄の読み方──「読めるはずの漢字」が、構造の記号として立ち上がってしまった日

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資料の中に「八硫黄」という言葉がありました。 漢字だけ見れば、読める気がします。 「八」は「はち」か「や」、「硫黄」は「いおう」。 でも、つなげて読もうとした瞬間、 少しだけ、自分の中に引っかかりが生まれました。

「八硫黄」は、化学式 S₈──硫黄原子が8つ輪になった構造を指します。 標準状態で最も安定な硫黄の同素体で、 鮮やかな黄色の結晶として存在しています。

読み方は「はちいおう」ではなく、 「八(はち)+硫黄(いおう)」と分けて理解するのが自然ですが、 実際には「八硫黄(S₈)」を「オクタスルファー」や「オクタチオカン」と 英語名で呼ぶことも多く、 日本語の読み方が曖昧にされている場面もあります。

今日は、「八硫黄」という言葉に、 漢字の意味よりも構造の記号が先に立ってしまった日です。 読めるはずなのに、読めない。 意味があるはずなのに、意味が抜け落ちる。 そんな違和感を、そっと記録しておきたくなりました。